ボードゲーム初心者をアグリコラに引き込むために、アグリコラの魅力を淡々と紹介する

ゲーム紹介・レビュー

今回紹介するのは「アグリコラ」。17世紀の農民になりきって、農場経営するボードゲームである。

アグリコラというゲームを聞いたことがある、という人向けに、誤解を恐れずに各種用語をざっくりに意味が分かる程度に変換しつつ、解説してみます。

 

[NEW] 2016年に発売されたアグリコラ ファミリーバージョンについて、通常版との違いとファミリーバージョンならではの魅力について解説した記事を書きました。→ 詳しくはコチラ

長くなったのでこの記事のまとめ

有名なの?

世界中のボードゲーム好きが利用するWEBサイトやネット対戦サイトなどで、とても長い期間にわたり首位を独占し続けた伝説的なゲーム。世界大会もあるようです。

 

ゲーム内容

プレイヤーは1つの家族と農場を使い、いろんな労働方法を選択しながらゲーム終了時に一番発展した農場作ったら勝ち。

労働力をつかっていかに価値を生み出すかといった経営ゲーム。

 

ゲームテーマは「ジレンマとの戦い」

  1. 家族が増えるとたくさん行動(労働)できるが、その分たくさんの食料も必要になる。
  2. 食料確保のための行動はとらなければならないが、そればかりやっていると農場発展のための行動がとれない。
  3. 農場発展のためには、家族が必要である。

この1〜3がループするジレンマと戦いながら、ライバルとなる他プレイヤーとも闘いながら農場経営するゲームです。

 

何度も遊べるの?

約300種類ある特殊カードを、1ゲームあたり1人14枚づつ利用します。

この特殊カードの組み合わせで毎度違った戦略がとれるので、プレイするごとに体験が変化するゲームになります。リプレイ性は非常に高いといえます。

 

やってみたい人へ

1プレイ1時間半〜2時間半かかるという超重量級のゲーム(通称:重ゲー)。しかし、超面白い。

ルールが複雑で理解しづらいので、はじめての方は必ず説明の上手な経験者とやりましょう。

 

目次

 

有名なの?

いわゆる「重ゲー」であり、マニアックかつガチ勢向けに作られたボードゲーム。

その中でもボードゲームマニアしか集わないWEBサイト「BGG(ボードゲームギーク)」で1位を延々と取り続けていきた作品です。

 

ガチ勢の心を掴んで離さない、奥が深すぎかつプレイ中の知的興奮がとどまることを知らないネ申ゲームである。

 

ちなみに、世界大会や日本大会が開かれていたりもするようです。

 

ゲーム内容ざっくり

14ラウンドという期間を経て、もっとも発展した農場を作ったプレイヤーの勝ちとなります。

 

もっとも発展した農場の基準ってなに?ということですが、たくさん家畜を飼ってるとか、畑いっぱい耕したとか、農作物をたくさん作ったとか、それぞれの要素に勝利ポイントが設定されていて、その集計結果で勝敗を決めることになります。

 

毎ラウンド、家族の数だけ(はじめは夫婦で2人だけ。ある程度ラウンドが進むと子供を作って増やすことができる)で活動します。

ラウンド中の活動は、家族のコマをアクションエリアに配置して行います。

 

アクション内容(一部)

  • 木を切って木材ゲット
  • レンガを作ってゲット
  • 鉱山で石材をゲット
  • 木材で家畜を飼う柵を建てる
  • 家畜である羊を手に入れる
  • 畑を耕す
  • 小麦を市場で買う
  • 畑に小麦を蒔く
  • レンガをつかって暖炉を作る
  • 小麦を暖炉でパンにする
  • 次のラウンドで1番手から始める。

などなど。

 

このアクションエリアへの配置は、毎ラウンド1アクションにつき1人のみが使えるという占有制度になっており、たとえば自分以外のプレイヤーにアクションを実行されると、そのラウンド中にそのアクションは選択できません。

つまり、「小麦をもっていてあとは畑さえあれば種まきして収穫できるでー」と思っていても、他のプレイヤーに先に畑アクションを選ばれると、もう次のラウンドまで待つしかないのです。

 

ほかのプレイヤーがいま何をしたいかを考えながら、数少ない労働力(家族)を利用し、いかに農場発展に貢献できる行動をとれるか。

 

つまりは、資源配分と労働力の最適化が必須になり、これがアグリコラの本質だと考えられます。

 

ゲームテーマは「ジレンマとの戦い」

労働力である家族は、子供を作るアクションを選択することで増やすことが出来ますが、ここで大きな問題があります。

 

アグリコラは、プレイ中の決められたラウンドの終わり(たとえば4ラウンド終了時、11ラウンド終了時など。ボードに記載されているタイミング)に、「収穫」というフェイズをはさみます。このとき、家族の数に応じて「食料」が必要となります。

 

この家族に支給する食料となるものには

  • 小麦を焼いてつくったパン
  • 収穫した野菜を調理
  • 羊などの家畜をかまどで調理

などなどの手段がプレイヤーには与えられています。

 

アグリコラというボードゲームでは、この収穫における食料供給がゲームバランス上「きわめて」厳しく、常に家族に食料を与えて養っていく厳しさをプレイ中は感じることになります。

 

なぜなら、食料供給の元手である小麦や家畜などは、ゲーム終了時の「発展した農場」として評価される「勝利点数」なので、使いすぎると点数が伸び悩み、勝負に負けることになります。

 

つまり、常に以下のようなジレンマとの戦いになります。

  • 家族がいないと実行できる行動が減る⇚⇛家族が増えると食料が多く必要
  • 食料確保のための行動⇚⇛農場発展のための行動

 

食料をお金と考えれば、これはそのまま現実の経済活動のようです。

いかにして効率の良い労働を行ってお金を確保し、破綻しないようにうまく再投資して労働力を増やすか。

 

アグリコラが強い人は、つまり経営(におけるリソースマネジメント)がうまい。

 

アグリコラを採用試験に使えば、お金と労働力の配分といった文脈での「経営センス」が高いかどうかについて、一目瞭然かもしれません。

  • 1アクションあたりの農場発展の価値
  • 1アクションあたりの食料確保の価値
  • 1アクションあたりの上記2つに関わる投資価値

 

これらを常に見極めないと、アグリコラというゲームは強くなれない。

 

さらに、プレイ中はライバルである他のプレイヤーがいて、自分がしたい行動を先にとられると専有されるため、常に計画通りの順序で組み立ててアクションを実行できるわけでもない。

 

 

また、アグリコラにはゲーム開始時に独自の特殊能力を得ることのできる「職業」と「小さな進歩」カードが7枚づつ、計14枚プレイヤーに配られます。

 

「職業」や「小さな進歩」から得られる能力とは、プレイ中の各アクションの効果を増大させるなどの効果があります。

たとえば木材3つをもらえるアクションで、ある職業をつかえば発動しているプレイヤーのみ5つの木材がもらえる、といった具合で、農場の経営・発展方針により多くの選択肢と可能性を与えてくれます。

 

この「職業」と「小さな進歩」は、両方合わせると約300種類もあって、同じ種類のカードは一枚もなく、これがランダムに配られるのです。

あまりに多くの選択肢と可能性がプレイヤーを惑わせますが、うまく利用することで飛躍的な発展をもたらします。

 

しかし、この莫大な数の種類とそれが生み出す可能性により、アグリコラは1000回プレイしたら1000回とも違ったゲームになります。

 

自分が持つカードが変わるように、ライバルが持つカードも変わります。

たとえとてつもなく低い確率で14種類のカードが過去にプレイしたときとまったく同じものになったとしても、他プレイヤーの行動が変化することで、必ず違ったゲーム・プレイ体験になることでしょう。

 

アグリコラは、職業カード・小さな進歩カードを利用せずにプレイしても十分に厳しくもやりがいのある農場発展を楽します。

しかし、これらのカードにより、より一層高いリプレイ性、何度も何度も遊んでしまうといった中毒性を生み出しました。

 

17世紀の厳しい環境の中、常に最適解を求めて、発展と家族を養う2つを達成していかなければならない。それがアグリコラのゲーム体験であり、魅力です。

 

アグリコラをやってみたい人へ

3回ほどプレイすれば、「こんなに知的興奮が満たせるゲームがあって良いのだろうか」と感動することになると思います(私がそうでした)。

 

この記事を書いている私は、小学校のころからテレビゲーム、ゲームセンター、ボードゲームといろんなゲームをプレイしてきました。

ファミコンのときは、星のカービィ夢の泉を何度も何度もプレイした。スーファミやプレステの頃はドラクエ・FF・Sagaシリーズを一通り遊び倒し、パネルでポンなんていまだにプレイしている。ゲームボーイの初代ポケモン赤をやりすぎて、一気に視力が落ちてメガネになった。FFTは縛りプレイを自分で考えてやりこんだ。各種モンスターハンターは初代からほぼ全部数百時間は遊んでいる。ゲーセンゲーマーになってからは、毎日通って格ゲー(主にKOF2002)を遊んだ。連邦vsジオンなんて、いくらお金を吸われたかわからない。三国志シリーズやギレンの野望シリーズのようなシミュレーションゲームも大好物だ。ボードゲームなら、半年以上は週2回は徹夜してカタンを遊んだし(いま思い出しても気が狂ってたと思うプレイ回数)、いまでは数百種類は遊んでいる。

 

RPG、シミュレーション、格闘など、デジタルもアナログも、いろんなジャンルのゲームを遊んできて、その中でもアグリコラは間違いなくトップクラス。最高のゲームの一つです。ぜひぜひ遊んでほしいです。

 

ただ、アグリコラはルールの量が非常に多く、慣れて面白さを感じるまでは複雑さが勝ってしまうかもしれません。

 

そのため、私自身は初めてプレイする人にいつも以下の方法を提案しています。かなりハードル高めですが。。。

  • 5時間のまとまった空き時間を用意する
  • 必ず経験者と一緒にプレイする
  • 3人以上でプレイする

 

アグリコラは1~5人、1プレイ1時間半〜2時間半かかるという超重ゲーです。

 

それでも、もう一回!もう一回!と時を忘れてやりたくなる魅力があります。

 

 

理由は、反省会。

自分のプレイをあとから振り返ると、経営上のミス、もっと良いやり方があったことに気づき、新しい戦略と戦術を思いつくからです。

 

そして、それを次のプレイで試してみたくなる……

 

このループから抜けられない。

 

 

それが、世界のボードゲームマニアたちを5年以上も惹きつけてやまないアグリコラの魅力なのです。

 

 

 

著者:グランドアゲームズだいもん(ゲームデザイナー)

Twitter:@economic_wars

 

[NEW] 2016年に発売されたアグリコラ ファミリーバージョンについて、通常版との違いとファミリーバージョンならではの魅力について解説した記事を書きました。→ 詳しくはコチラ

 

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